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エキスパンジョイントで、変わった形のビル・マンションの地震対策

マンション同士をつなぐエキスパンションジョイント

はじめに

世の中のビルやマンションの形には色々なものがあります。平面的にみてL字型やコの字型だったり、とても長かったりと色々あります。そういった建物は剛性のバランスが悪い場合が多く、特に対策をとらなければ地震に対して非常に弱くなってしまいます。そこで構造的にバランスの良い建物にする方法があります。その名もエキスパンジョイントです。

エキスパンジョイントとは

平面的にみて変わった形状の建物や長い建物は、地震に襲われた場合、建物の各部分にかかる荷重が均等でなくなるため、建物を構造的に複数の分割する必要があります。この建物を分割した際に出来る接合部分をエキスパンジョイントと呼びます。例えば、建物で使われるコンクリートや鉄筋などの構造材は気温によって伸縮が発生します。構造材が長ければ長いほど、ひび割れや破損が生じる危険性があります。そのため一般的に長さ100メートルを超える建物の場合、エキスパンジョイントを設けます。また、平面的に変わった形状の建物は、地震力を受けた場合ねじれ(偏心)を起こしやすく、地震や暴風時に建物の一部分に力が集中する恐れがあります。このためエキスパンジョイントを設けて建物が整形な部分の組み合わせになるように分割してねじれ(偏心率)を抑えます。このほか、高い建物の剛性率調整や、軟弱地盤対策の場合にもエキスパンジョイントが使われることがあります。

エキスパンジョイントの設計

エキスパンジョイントは状況や予算に応じて色々な形状があります。滑り型、蛇腹型、ボールド型、ヒンジ型、くし形、などなどです。また、エキスパンジョイントの設計では、クリアランス(隙間)の確保が重要になります。構造的に分割してもクリアランスが十分でないと、もし地震の時に建物が動いた際に分割した建物同士が干渉して壊れてしまいます。このクリアランスを計算する方法として保有水平耐力計算という計算方法があります。分割した建物同士の変形量を計算してその分のクリアランスを確保します。保有水平耐力計算を行わなくてもよいケースもありますが、その場合は、少なくとも分割する建物同士のクリアランスを決められた距離確保する必要があります。

まとめ

いかがでしょうか?エキスパンジョイントは専門家でもない限り、一般の人は知らないことだと思います。現に2016年熊本地震ではあるマンションのエキスパンジョイントが正常な役割を果たし、破断したことを住民たちが欠陥住宅を誤解しSNS上で拡散炎上したということで話題になりました。このマンションにエキスパンジョイントがもし無かったら、最悪の場合建物全体に被が出て倒壊してしまっていたかもしれません。このようにあえて部分的に地震力を集中させて壊すことにより衝撃を緩和させる機能を、当社のSL-CUBE[エスエルキューブ]も持っております。極力費用をかけずに地震対策をしたいとお考えの方は一度検討してみてはどうでしょうか?

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