前回のブログで家を建てる際にはまず設計が必要ということをお伝えしました。
その中の構造設計で重要となる作業として「構造計算」というとても大事なものがあります。
建築に詳しくない一般の人には馴染みがないと思いますが、今後マイホームを建てたい、買いたいと思っている方でしたら是非知っておいていただきたい内容です。しかし、特例などの存在もあってわかりづらい部分もありますので、ブログも何回かに分けてご説明させていただきます。
まず、構造計算とは何かということですが、一般的には以下のように言われています。
構造物に関して、自重、地震、強風などの加重によって発生する応力や変形を計算することをいう。その結果に基づいて構造物の安全性等を判断する。
なお、構造計算の適合性の確保を含めて建築物の構造をデザインする業務を構造設計と言い、建築士が責任を負うべき重要な業務のひとつとされている。耐震設計もこれに含まれる。
となっています、要するに家を建てる時は、災害などに対して十分構造物の安全性を確保しなさいよ!そのためにはルールに則った構造計算をしなさいよ!そうじゃないと家を建てる許可しないよ!と国は言っているわけです。
次に構造計算の内容をもう少し詳しくご説明します。詳しく、と言っても一般の方でも分かり易いようにお伝えしますので、若干表現的に正しくない場合もあるかもしれませんが構造計算の存在を知ってもらうことを目的としているためお許し下さい。 構造計算は一般的には3つの計算を経て進めていくことが特徴として挙げられます。
この計算では、家の重さを計算することからスタートします。家の重さというのはどういうことかというと、当たり前ですが建物自体の重さはもちろんのこと、居住者の重さや家具の重さ、特別に大きなピアノなど置く場合はその分追加して重さを計上します。なぜ重さが重要になってくるかというと、地震の衝撃などに重さがとても関係してくるからです。重ければ重いほどより耐力壁などを多く配置する必要が出てきます。そうして建物の重さを出した後は、建物の重さがどのように伝わるか(柱や梁、床などに)、伝わる重さに材木など材料が耐えられるかを計算します。最後に外力(地震、台風など)がどのくらいかかるかを調べ、さきほど同様に建物の構造が耐えられるか計算します。ここまででやっと許容応力度計算が完了します。
許容応力度計算の次は許容応力度等計算です、名前が似ているので紛らわしいですがこの計算ではより細かく外力に対応出来る設計にすべきか計算します。具体的には地震力を受けた場合の家の傾きを検証したり、各階ごとの耐力のバランスを検討したりします。
これら許容応力度計算の次は許容応力度等計算に加えて更に稀に発生する大地震に襲われた際にどこまで耐えられるかを計算するのがこの保有水平耐力計算になります。
いかがでしょうか、これら計算を経て作成した構造計算書を検査機関に提出して承認してもらうという流れを踏んで、家を建てることがやっと出来ます。今回は構造計算について説明しました。次回は特例である「仕様規定」についてご説明します。