日本は世界有数の地震大国であると同時に世界一の地震科学技術国でもあります。その日本で最も大きな耐震実験施設が兵庫県の防災科学技術研究所の施設内にあります。その名もE-ディフェンスという大型振動台施設です。日本一ということは世界一ということになります。
では、そのようなすごい施設がなぜつくられたのでしょうか?そして今までどのような実験を行ってきたのでしょうか?
まず、E-ディフェンスがなぜ作られるに至った経緯からご説明します。皆さんご存知の阪神大震災がことの発端です。1995年に発生したこの未曽有の大地震により、多くの人命が失われ、そして多くの住宅や構造物が倒壊被害をうけました。これを契機に、従来の実験施設での評価では地震対策は不十分という見解が生まれました。
3次元で襲ってくる地震、それも想定外のパワーと繰り返しの余震など従来の実験施設では出力パワーが弱く、再現が出来ませんでした。また、戸建住宅以外の高層ビルや大きな鉄橋など構造物の大型化にも従来施設では対応が間に合っていませんでした。そのような現代日本における地震対策を追求するために、新たな施設建設が必要となりました。それが実大三次元震動破壊実験施設、通称E-ディフェンスです。 従来の実験施設と、E-ディフェンスの大きな違いは、従来は小・中規模の施設であれば至る所にありましたが、E-ディフェンスのように実物大の構造物を破壊出来るような大きさやパワーを有している施設はありません。
E-ディフェンスという名前の由来は、地球(Earthアース)を守る(ディフェンス)という日本のみならず世界全体の地震災害から命や財産を守るための基礎研究施設を目指す思いから成り立っています。また、E-ディフェンスのロゴマーク(このブログ最上段の画像がそれです)は公募で選ばれたのですが、その由来は「大地の割れと地震の姿」と「三次元の動き」を3色で表現しています。
いかがでしょうか?世界一の実験施設が日本にあるなんてなんだか誇らしいですね。明日にでも起こるかもしれない巨大地震の被害を最小限に抑えるべく、E-ディフェンスと研究者、関係者は必死になって実験や研究に取り組んでいます。その結果、日本が世界一の地震対策技術国となったのです。そんなE-ディフェンスですが、実は実験の一般公開も年に数回実施しています。不定期で実施されますのでもし、興味がある方は防災科学研究所のウェブサイトを要チェックしてみてくださいね。 当社の制震システムGVA(ジーバ)やX-WALL(エクスウォール)はE-ディフェンスと同等の性能を有している茨城県つくばにある実大振動台設備で実験を実施したことがある地震対策建材です。本当に地震に対して効果があるか実証するためにはこのような実大振動台実験検証が必要だからです。