地震に強い家に住みたいと考えているなら、家そのものだけでなく家を支える地盤についても考える必要があります。今回は地震対策において考えるべき要素の一つである地盤についてお話いたします。
住宅やビルなどの建物の重さを支える部材を基礎と言いますが、地盤はその基礎を支える地面のことを指します。地盤の強さは地層が出来た年代や構成によって異なり、建てる家の荷重によっても必要な強さが変わります。家を建てる際は事前に地盤調査を行い、その重さに耐えられる強度があるかを確認しなければなりません。
十分な強度を持っていない地盤の上に家を建てると地盤沈下が起きる危険性が高まります。地盤沈下とは家が地面に沈み込んでしまう現象のことです。地盤沈下には、地盤に荷重を加えた際にすぐ地面が沈下する「即時沈下」、家の重みで土の水分が抜けていくことで地盤の体積が減少し建物が沈下する「圧密沈下」、地盤のゆがみによって家が斜めに沈下する「不同沈下」などがあります。地盤沈下が起きると床が傾く、外壁にひびが入る、ドアや窓の開け閉めがしにくくなるなどの影響を受け、最悪の場合は家そのものが倒壊するおそれがあります。
地盤沈下が起きる原因はいくつかあります。 一つ目は建物の荷重によるものです。先ほど少し触れましたが、重い建物が水分の含んだ土の上に乗って圧迫されることで、その水分が抜けて体積が減っていき地盤沈下が起こることがあります。 二つ目は地震による液状化が原因のものです。地面は土や砂、水や空気などが混ざり合って構築されるものですが、地震などによって地面から空気や水分が押し出された時に液状化が起き、地盤沈下につながる危険性があります。
地盤調査とは、工事を始める前に土地の地盤に問題がないかを確認することを指します。調査が必要なタイミングは事前に購入した土地に家を建てる直前です。地盤調査には様々な方法がありますが、主に採用されるのは「SWS試験」と「ボーリング調査」の二つです。
「SWS試験」は一般的な住宅の場合に用いられることが多い調査方法です。先端がスクリュー状になったロッドにおもりをつけながら回転させていき、沈み方の硬さから地盤の強度を調べます。住宅の四隅と中央部の計5か所を調査するのが一般的です。費用も5万円程度と安価で半日程度で済むのが特徴です。
「ボーリング調査」は主にマンションなどの大きな建物の地盤を調べる時に採用します。 機械を使って地面に穴を掘り土のサンプルを採取して地層の構成を調べます。SWS試験と比べて大がかりで費用がかかる分地質まで調べられるので信頼性は高めです。
日本の地震活動が活発になった今、家を建てる前に地盤を調べることは、地震対策をするにあたり、より重要な行程になりつつあります。もし購入した土地の地盤が弱い場合、改良工事をする必要がありますが、それは次のブログでお話いたします。