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台湾地震に学ぶ災害後の対応


はじめに

 台湾地震が発生してから3週間ほど経ちました。今回の地震で特に注目されたのは台湾の地震後の対応の早さです。台湾の地震対応から日本は何を学びとれるのでしょうか。



台湾での地震について

 4月の初めに台湾の花蓮県付近を震源とした地震が発生し、現時点で17名の方が犠牲になったことがわかっています。また、花蓮県にあるビルが傾いたり台湾の有名な観光地であるタロコ公園で約700人取り残されたりとあらゆる場所で被害が出ました。現在も震度4の余震が観測されており、まだまだ油断は出来ない状況です。

台湾の地震後の対応① 避難所

 台湾では地震が発生してから数時間ほどで避難所が設営されました。その上、避難所内にはプライバシーに配慮した簡易ベッド付きのテントが設置されており、食事も様々な種類が選べるようになっていました。そして驚くことに無料WiFiや充電サービス、無料アロママッサージなども用意されていました。台湾のどの避難所も生活に困らないレベルが確保されているので避難者も快適に過ごすことが出来たとのことです。

台湾の地震後の対応② 鉄道の復旧

 4月3日の地震によって鉄道や道路などの交通インフラが打撃を受けました。しかし、道路の復旧は7日までかかったのに対し、鉄道は4日から通常運転を再開しました。今回の地震で何か所か落石が発生しましたが大きな列車事故は起きませんでした。これは近年整備された落石検知警告システムによって線路内の異物を感知し、付近を通ろうとしている電車を減速、停止させ衝突を防いだからです。そのため鉄道の復旧が早く済み、被災地への物資の運搬を後押ししています。

台湾の地震後の対応③ 代替輸送の準備

 道路の復旧が完了するまであらゆる交通機関が協力し合って人々の移動の対応をしました。中でも道路が使えなくなっている区間を船やフェリーで繋いで移動できるようにしたことは特筆すべきでしょう。異なる交通機関の組み合わせを促し、陸路だけでなく海路も移動手段として利用させたことで台湾の対応力の高さを見せつけました。

日本はどうか

 台湾での災害後の対応には目を見張るものがあり、日本にとっても学ぶべきところがたくさんあります。特に対策を考えるべきものの一つが避難所です。日本の避難所は基本的に間仕切りがなく大勢の人が密集しており、硬い床でシート一枚を敷いて雑魚寝するパターンがほとんどです。そのため避難所での生活を避け車中泊を選ぶ人が多く、災害を生き延びた人が命を落とす事態が起きてしまうのです。日本では災害後の対応を市町村に委ねていることが多く、自治体の職員の負担が大きいことも指摘されています。一方、台湾では災害が起きた際に行政が各ボランティア団体に連絡し、役割分担しながら協力し合う仕組みが出来ています。過去の災害の教訓を活かしている点も見習うべきでしょう。

まとめ

 台湾でのこうした災害対応は日本から学んだ部分も多いと言います。しかし、今回の地震では日本が台湾から学ばなくてはならないことがあるのではないかと感じます。一番大事なのは災害対応を自治体任せにせず国も支援することなのではないかと思います。


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