熊本県で発生した地震からもうすぐ8年が経とうとしています。この地震で熊本屈指の観光スポットである熊本城も被害を受けました。現在の熊本城はどのようになっているのでしょうか。
熊本地震とは2016年4月に発生した地震で、272名の尊い命が犠牲になりました。この地震の最大の特徴は震度7の揺れが2度観測されたことです。これは現在の震度階級が出来てから初めての事例です。その後2週間に渡り震度4を超える地震が100回以上も発生し、住民の方々を不安にさせました。
日本三大名城の一つとして知られる熊本城もこの地震によって甚大な被害を受けました。13棟ある重要文化財建造物が全て被災し、中でも熊本城の築城当初から現存していた東十八間櫓や北十八間櫓は全壊してしまいました。また、建造物の崩壊だけでなく、石垣が崩落したり屋根瓦が落下したりするなど被害は多岐にわたりました。
2018年3月に策定された「熊本城復旧基本計画」に基づき現在も復旧に向けて工事が進められている熊本城ですが、完全復旧するにはまだ長い時間が必要とのことです。それでも2021年3月に天守閣の修復が完了したり、重要文化財の一つである「長塀(ながべい)」の復旧工事が完了したりと少しずつ着実に復旧は進んでいます。また、熊本城では復旧の様子を観光客に公開する、いわゆる「見せる復興」が功を奏し、来場者数が増えているとのことです。
2021年3月に天守閣の復旧が完了したことを記念し、同年6月から内部の公開を再開しました。展示もリニューアルされ、築城から被災と復旧までの歴史がクローズアップされています。また、2020年から特別見学通路が設置されたことで地上6mの場所から被災状況を間近で見学することが出来るようになりました。通路を渡りながら普段見ることの出来ない地震の被害の実情や復旧工事の様子を見ることが出来ると好評をいただいているとのことです。
熊本城が完全に復旧するまでの道のりは依然として長く険しいものですが、それでも完全復旧に向けて着々と工事が進められています。工事の間も外観や内部を見学できるので、地震のことを心に留めつつ熊本城を訪れてみてはいかがでしょうか。