GVA工法の制震性能を実証するために動的な実験により性能を確かめています(振動台実験、アクチュエータ強制加振、起振機等)。動的とは繰り返しの加振を表しています。 反対に長時間かけて少しの変化を与える実験を静的実験といい、 建築基準法の壁倍率試験も静的な実験(正負交番同一履歴3回繰り返し加力)によるものです。動的実験と静的実験には加力速度の違いがあります。
たすき掛け筋交い、接着パネル構法、 ツーバイフォーなど一般的に強い耐力壁というイメージを持たれているものであっても、 動的な試験結果では剛性や靭性(固体の粘り強さ)といった建物にとって重要な性能が大きく低下することがあり (靭性について:たすき掛け筋交い・接着パネル構法が50%程度低下、ツーバイフォーが40%低下)、 加力速度特性が無視できないという報告があります (建築技術2006.4「加力速度と壁の性能」)。建築基準法をクリアーしたことで、その建物が振動に強いかどうかが確かめられたことにはならないのです。このことは耐震等級1であっても耐震等級3であっても同じです。