柱は家を建てるために必要不可欠な存在です。あまりにも身近なこともあってその役割や重要性について考えることも少ないのではないでしょうか。
今回はそんな柱の重要性について改めて考えていきます。
まず柱とは何かを改めて説明します。柱とは土台に対して垂直に立て建物を支える役割を持つ構造部材です。
建物そのものの重さ、屋根や梁などの部材の重さ、生活する人や家具などの重さ、様々な荷重を柱で受け止め、土台や基礎に伝えることで倒壊を防ぎます。また、地震の横揺れや風の圧力などの水平方向の力に対抗する役割も担っています。
柱は構造上最も重要な部材の一つと言っても過言ではない存在なのです。
柱は使用する場所や役割によって名称が異なります。2階以上の木造建築の柱のうち、1本で土台から軒まで通っている柱を「通し柱」と言い、建物の四隅など構造上重要な位置に使用されます。
対して階ごとにそれぞれ入っている柱を管柱と言い、床や壁にかかる重さを支え地震による水平方向の力に抵抗する役割があります。
また、柱と柱の間に補助的に取り付けられる柱を「間柱」と言い、壁材を固定する役割を担っています。
木造建築においてどのような材質の柱を使うかはとても重要です。
柱の材料としてよく使用されるのはスギとヒノキです。どちらも湿気やシロアリに強く高い強度があるのが特徴です。
ちなみに柱として木材を使用する場合は心材という真ん中の濃い部分を使用します。
また、丸太から切り出されたまま加工なしで使用する無垢材(製材)とは別に、木材を小さく切り接着剤で貼り付けて作られた「集成材」も柱に使用されます。
こちらも安定した強度を持つ上、無垢材のデメリットとして挙げられる乾燥による収縮が起きないのが特徴です。その代わり接着剤という化学物質を使っているため、敏感な人は気分が悪くなる可能性があることには注意が必要です。強度に関してはJASが定める目視等級や機械等級で強度を評価され、無垢材でも集成材と同等の強さを持つ場合があります。
柱は地震などの災害に強い家を建てるために最も考えるべき部分の一つと言えます。それぞれの利点や欠点を踏まえ、予算と相談しつつどの柱がいいか決めるのが良いでしょう。