住宅は構造によって耐震性が大きく変わるものです。今回は様々な種類がある構造体からよく比較される「ラーメン構造」と「壁式構造」についてお話いたします。
ラーメン構造とは柱と梁で建物を支える構造のことを言います。本来は鉄骨や鉄筋コンクリート製の家で多く用いられてきましたが、近年では木造住宅にも使われることが多くなりました。梁と柱で建物の枠組みを作り、接合部分をがっちりと強く固定するのが特徴で、主に中高層マンションや公共の建物などに使われます。ちなみにここで言うラーメンは、ドイツ語で「枠、額縁」という意味を表します。
壁式構造は柱や梁の枠組みの代わりに壁で建物を支える構造のことを言います。 この構造は「耐力壁」と呼ばれる分厚い鉄筋コンクリートの壁を使って床と壁を接合するのが特徴です。構造上、高層になるほど強度が保てなくなるので、主に5階以下の建物に使われます。
耐震性が高いのは、壁式構造です。壁式構造は壁と床、天井を繋げて建物を面で支える構造で、地震が起きた時も1か所に揺れを集中させず建物全体に分散させることが出来るため、高い耐震性があります。 一方、ラーメン構造は柱と梁で建物を支える構造のため、横からの力に弱いという特徴があります。したがって地震の横揺れに弱く、壁式構造と比べると耐震性は少し劣ります。 しかし、ラーメン構造でも耐力壁を採用するなどの工夫で地震の力を分散し、耐震性を上げることは出来ます。
地震に強い住宅を建てたいのなら、まず構造の種類や特徴について知ることが肝心です。 どの構造が地震に強いか、どのように工夫して建てたら地震により強くなるかなどを考えてみてはいかがでしょうか。また、制震ダンパーを取り入れることも地震対策には有効ですので検討してみることをおすすめします。