住宅やビル、マンション、橋などあらゆる構造物には地震対策が必要です。構造の地震対策は耐震、制震、免震という切り口で3つの分類することが出来ます。今回から3回続けてこの3つの地震対策について紹介します。
今回は耐震構造についてです。耐震構造とは、地震が発生した場合に建物が受ける水平力(地震力)に対して、木材や金属などの素材で出来た部材の強度で耐えるように設計された構造のことです。耐震要素となる部材としては、柱や梁、壁、筋交いなどがあります。鉄筋コンクリート造の場合、ラーメン構造や壁式構造が、鉄骨造の場合はブレース構造などが耐震構造といいます。
木造住宅は耐力壁の設置数や場所が建築基準法でルール決められており、日本中どこで建てた家でも耐震構造の建物として設計されます。部材の断面が大きいほど抵抗出来る地震エネルギーが大きくなるため、より耐震性を向上させたい場合は一般的に柱や梁は太く大きくなります。もちろん部材量を増やせばその分コストもかかります。
耐震構造の建物を構造設計する場合、建物の耐用期間中(一般的に30年といわれています)に少なくとも1回は遭遇すると想定される中規模地震では大きな損傷はせず、耐用期間中にごくまれに遭遇する大地震では倒壊しない性能になるように設計しなければいけません。さて、次に個々の耐震構造部材の詳細説明をいたします。
構造用合板とは、壁や床、屋根に使われ、耐震性だけでなく、防音性や気密性を確保するために用いられます。木の板であれば何でもよいわけではもちろんなくて、JASの規格をクリアしたものでなければ耐力壁とは認められません。
筋交い(すじかい)とは、柱と柱の間に納めて、水平力に対して突っ張ることで耐える体力壁です。片筋交い工法と両筋交い工法があります。筋交い工法では部材の圧縮と引っ張りを考慮して耐震設計をする必要があります。
国土交通大臣認定耐力壁とは、指定性能評価機関又は承認性能評価機関の評価や承認を経て、最終的に国土交通大臣の認定も取得することで耐力壁として認められた部材になります。通常は建材メーカーやハウスメーカーが独自で研究、開発をして認定取得をしています。一般的な合板や筋交いでは実現出来ない性能やデザインを付加した製品が多く、国からのお墨付きもある為安心です。
いかがでしょうか?今回紹介した耐震構造は、現在木造住宅の構造において重要かつ基本となる概念です。そのため、前述した国土交通大臣認定のような取り組みを、ハウスメーカーやビルダーは切磋琢磨しながら日々研究開発に情熱を注いでいます。当社アイ・エム・エーでも、国土交通大臣認定耐力壁X-WALL(エクスウォール)を開発しており、おかげさまで広く全国的に普及しております。一般的な筋交いや合板の弱点である弾性領域が非常に大きく、且つしっかりと壁倍率も2.8倍(仕様によって3.4倍も可能)も保有しています。住宅購入を検討されている場合、このような色々は耐震構造について、検討してみてはいかがでしょうか。